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なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編




ガンという衝撃とともに安堵感と残念な気持ちが訪れた。


ドアは開かなかった。


当たり前か。


今時戸締まりのしまい家なんて無い。



そう思って乱暴にドアノブをガチャガチャさせていたときだった。




ギィ…という音がして呆気なく扉が向こう側に開いた。


「え」


突然の事に体が固まる。



押しドアだったのだ。



「あ、あいた…」



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