テキストサイズ

なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編



俺の振り向いた先、目の前。



人が立っていた。







その硬直時間、8秒。過去最長。





我に返りざざっとそいつから3メートルくらいの距離をとってまじまじとみる。



俺とおんなじぐらいの背、
水色と白のストライプのポロシャツ。
真っ黒な短い髪。



「お前、誰?」



やっと出した声は掠れていて。



そいつはまっすぐ俺に向けていた視線を一瞬下に落として再びこちらを見た。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ