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なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編




「え、ちょ、ちょ!!」


慌ててその腕を掴むと不思議な顔をしてカナタが振り返った。


あ、なんかこいつの目綺麗だ。


「カナタお前ここ来たことあるのか?」


「ないけど」


「ここお前のか?」


「違うけど」


がくっと力が抜けた気がした。


「じゃあなんでそんな普通に入っていこうとすんだよ!!」


「だって…君、そっから出てきたし」


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