テキストサイズ

なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編




よし。


手から力を抜いて窓からちょっとハなれる。


窓を照らしてる光が揺れてカナタが声を上げる。


「ほら言ったじゃないか!」


「うるさい黙ってろ!」


息を吸って数を数える。


いち、


にい


「ねえシュンあかな…」


さん。


「うぉりゃああ!!」


ガンっという音とともに肩にすごい衝撃が来た。


「わっ」


「…ってえ」




「すっげえシュン!開いた!」




ガッガッとつっかかるような音をさせながらも窓は向こう側に開き、明るい光が差し込んだ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ