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なつのおと

第5章 ふたりがいた夏 前編



「…うわ、まっぶし」


窓からはさっきの湖のような池が見える。


水面はキラキラ光を反射して辺りに神秘的な空間を作り出している。


空気は夏だとは思えないほどひんやりして澄んでいて。


窓枠に切り取られた絵のような世界。


ここは、一体どこの世界だ?




「ねえ、シュン」


「ぁんだよ!?」


「シュン!」


「なんだよっ!?」



綺麗な景色から無理やり目を離しばっと振り返る。


目の前にカナタの頭があった。


「おい、なんだよ?」


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