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なつのおと

第6章 ハナビが散る空




あずさは学年でも有名人で人気者だし、俺も自慢じゃないけれど多くの人に知られているという自覚はある。


あの日から静かに、でもものすごいスピードで加速しながら俺らが別れたという情報は広がっていった。


廊下を歩いていると以前とは向けられる視線の雰囲気が変わった気がする。



最低なのは俺だし、そのせいで学校に嫌な空気が流れても構わないけれど


それに田中さんを巻き込むことは避けたい。


高校なんていう、ものすごく狭くて繊細な世界の中で、一度変な噂が流れたらそれで終わりだ。


そう思っているのならもうしばらく、ほとぼりが冷めるまで彼女に会いに行くのは控えた方が良いとわかっている。




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