なつのおと
第6章 ハナビが散る空
「…おはよ」
「なんだよハルそのなんとも眠たげな声は!シャキッとしろ!シャキッと!」
「…るさい」
「あっ!ちょっとハル!置いて行くなーっ!」
校門前で会った海斗と共に教室に向かう。
こんなに暑いのになんでこいつは朝からこんなに煩いのだろう。
まるで蝉みたいだ。
まあこいつが煩いのは女を呼び寄せるためではないのだろうけど。
どちらかというと、その逆だ。
「なあ!来週の港の花火大会、どうすんの?」
「…は?花火…大会?あぁ、そういえばあるな、この時期に」
「そうそれ。で、どうすんの?」