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なつのおと

第6章 ハナビが散る空

「どうすんのって…行くか行かないか?悪いけどお前と一緒に行く気はないからな」



「あたりまえだろ。いくら俺がハルを好きだからといって男二人の花火ほどイタくて寂しいものは無いからな」




「…じゃあなんだよ」




「田中さん」



いきなり彼女の名前が出てきて思わず俺の肩は一瞬跳ねてしまった。



振り返ると海斗は真顔で俺を見ていた。



「俺、その花火大会に莉穂誘おうと思ってんだ」



「…は」



なんなんだこいつ。



本当に何を考えてるのかわからない。




何も言えずに固まっていると海斗は一気に普通のおちゃらけている顔に戻って俺の肩を叩いた。



「んな顔すんなよ!もう俺と莉穂とは別れてんだ」



そのまま立ち止まってる俺の横を通り過ぎて行く。


「…ま、冗談とかじゃないけど」




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