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なつのおと

第6章 ハナビが散る空






「おう。今いく」





結んだ前髪がぴょんぴょん跳ねていてイライラする。




歩き出しながら思う。




田中さんが関わってるから、という理由だけじゃなく



何かとウザい海斗だけどその中身は何か得体のしれないものが詰まっていると感じているから、本当の馬鹿ではないと感じているから




俺はこいつに興味がある。




…もちろん人間としてな。






「やばー今日の古典の宿題忘れた。ミカちゃんに怒られるよー!ハルくん、見せて!」




「あほ。吊るすぞ」






…こいつは本当の馬鹿ではない。たぶん。








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