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なつのおと

第2章 夏のはじまり




息が上手くできない。


動悸が激しい。



どうしちゃった、俺?




不意に視界にクリーム色のタオルがうつりこむ。


あれ、田中さんがいつの間にかそばに来ている。



「……何で泣いてるの?」



あ、田中さんの敬語が消えた。


言葉の内容よりそっちが先に脳に到達した。


遅れてその言葉も脳に届く。



「ええっ」


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