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なつのおと

第2章 夏のはじまり



何俺、泣いてんの!?


慌てて頬に手をやると熱い液体に触れて驚く。


「タオル、使って」


目の前に差し出されたタオルを無言で受け取り顔を覆う。


なんだかお日様の匂いがした。



椅子をガガと引っ張ってくる音がして目だけをのぞかせると、俺の前に座ろうとしているところだった。



「…なあ、あんた何者?」



メガネの奥の綺麗な瞳見つめる。



「ごく一般的な女子高生だと思うけど」



すごく真面目な声で返されてがくっときた。


あ―、しゃべりずれえ!


「…凄かった」


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