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なつのおと

第3章 遠い虹へ




誰の気配も感じていなかったのであまりに驚き立ち上がってしまった。


…聞き覚えのあるこの声は、


「た、田中さん……っ!」


「………なにしてんの」


やっぱり無表情な彼女は今どういう感情をもっているのかさっぱりわからない。


「曲!一昨日のあの曲聞きに来た!」


…あ、図々しかった。


「あの曲だけ練習してるってわけじゃないけど」


食い入るように田中さんを見る。



「お願いします!!何でもいいので練習場所にいさせて下さい!」


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