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なつのおと

第3章 遠い虹へ



ああでも確かみんなにハルって呼ばれてるって話をしたような気がする。


「俺の名前は、マミヤ シュン」


言いながらピアノの後ろの壁にあるホワイトボードに自分の名前を漢字で書いていく。




『間宮 春』





「この通り漢字が季節の春だから、ほとんどの人がハルって呼ぶの」


先生にまでハル、と呼ばれてるので正しい名前で呼ぶ人はほとんどいない。


キュッキュと書き終えて田中さんの方を見ると目をまん丸くさせていた。


「まみや…しゅん………」


あれ、そんなにびっくりした?


たかだか他人の名前で。


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