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なつのおと

第4章 雨が降る



『でも他に好きな人がいる訳でも無さそうだから、隣にいて好きになってもらおうと思ってたけど…』


初めて知る事実に声が出ない。


あずさは最初から、気付いていたんだ。


『無理だったみたいだね』


「あずさ…お前………」


『最後に言っとくけど私、ハルの顔に惚れてコクった訳じゃないからね』


「え?違うの?」


『馬鹿!そこら辺の女と一緒にしないでよ』


近くの壁にもたれて座り込む。


気づけば窓から差し込む光で廊下がオレンジに染まっていた。


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