なつのおと
第4章 雨が降る
『その人が大丈夫ですかって背中さすってあげてるの。周りに大人はいっぱいいて、見てみないふりしてるのに』
そうだっけか。
『次に停まった駅でおばあちゃんと一緒に降りて行ったときはビックリした。この電車逃すともう間に合わないくらいだったから』
そのばあさんと一緒にそのまま病院まで付き添った。
幸い大事ないと言うことで帰ろうとしたが、あり得ないほど感謝されてお金渡されそうになるの振り切って逃げたっけ。
『その後入学式の途中コソコソ入ってきて素直に怒られてたよね』
「…面倒くさかったから」