
先生が彼氏…あり得ないっ!
第9章 先生の過去
先生が私を抱き締める力が強くなる。
「ずっと思ってた。いつかきっと俺の事迎えに来てくれるって…顔も名前も知らない両親がきっと…」
「先生…」
「中学生になってやっと気づいた。俺は親に捨てられたんだって…嫌われていたんだって…」
そんな事があったなんて…。
先生は小刻みに震えているのが分かった。
「それから俺は生きてるなんてバカらしくなってきて、反抗して…。消えたいって何度も思った…」
「けど消える勇気なんてどこにもなくて、俺はずっと闇の世界にいた。そんな時にここに来て、いきなり担任任せられて、狭山と出逢った」
先生は声を震わせながらもしゃべった。
きっと苦しかったはず…。
いや
きっとなんかじゃないくらいに…。
