鬼畜の復讐2
第17章 あゆみの苦悩
真由子が立ち去った後も、暫く動転して、立ち上がれないあゆみ。
拓真が目覚め、隆一郎に復讐しようとしている。
隆一郎のケータイ番号のメモリを押そうとするが、躊躇った。
隆一郎に拓真が目覚め、復讐を企てていると知らせるのは簡単だ。
しかし、そのことで、何か理由をつけて帰国してきたら、秘書としての信用がなくなるかもしれない。
帰国できない時でも、そのことで、仕事に支障がでるかもしれない…なにより、拓真をまた殺そうとする恐れもある。
「(隆一郎が政治家になって、それを妻の私が支えていく…父を越える政治家になるのが彼の…あの人の夢…あの人の夢は私の夢でもある…今のこの暮らしを…幸せをまもらなければ…拓真に会って説得しなくては…隆一郎がいない今のうちに私が何とかしなくては…)」