鬼畜の復讐2
第20章 麗子の復讐
あゆみ、麗子、三宅の三人を乗せた車が走り出す。
「麗子ちゃん…いきなり何なの!?いったい…」
「 兄が目覚めたの…」
「ええ。知ってるわ…」
「でも、兄の知っている世界じゃなかった…私もあゆみさんも兄を見捨てた…」
「見捨てたなんて…そんなこと…」
「ウフフ…責めてなんていないわ…仕方なかったのよね…私はあなたの気持ちがわかるもの。この人を選んでね」
麗子は三宅に寄りかかる。
「え?」
「私もあなたも、力を持っている強い男を選んだ…そうでしょう?」
「……」
「もう5年…やがて6年になるのね…あの日から…」
「麗子ちゃん…話って…?」
麗子はその問いには答えず
「この人はヤクザの若頭よ。力を持っている素敵なオトコ…」
「!?」
「三宅丈二だ。よろしくな、中山あゆみさん。麗子が中山隆一郎には世話になったようだな」
「え?(世話になったったって…どういうこと…)」
「私が何で今この人といるのか、目的地に着いたら、話してあげるわ」
「(その事と拓真と隆一郎さんのことと何の関係が?」
三人を乗せた車はやがて、三宅のセーフティーハウスであるマンションに辿り着いた。
三宅が若い衆に耳打ちし、数人を残して去っていった。
「さ、行きましょ」
あゆみは半ば無理矢理、否応なしにマンションに連れ込まれた。
部下を入り口に立たせて、三人は部屋へ入った。
「へえ…ここが丈のセーフティーハウスなのね?」
「ああ。ここは信頼できる若い者しか知らない。安心していいぞ、麗子」
「心配なんてしていないわ。ウフフ…」
「あの…麗子ちゃん…話って…」
「あゆ姉ってそんなにせっかちだった?うーんと…」
麗子が冷蔵庫を物色して、ビールとジュースを取り出した。
麗子は落ち着かない様子で部屋を見回している。
「はい、どうぞ」
三宅にビールをあゆみにジュースを渡すと、麗子はソファに腰を下ろした。