鬼畜の復讐2
第21章 凌辱
「さて…どうする?奥さん。あんた次第だぜ?」
ガックリ項垂れるあゆみ。
「(どうして…拓真はうまくいきそうなのに…おばさまや麗子ちゃんにまで酷いことをしていたなんて…)」
「迷う事はないと思うがなぁ?奥さん」
「!?」
「いいか?あんたは、二階堂拓真を見捨ててまで、中山隆一郎と一緒になり、何不自由なく暮らしている。恋人を植物人間にし、その母親を殺し、妹をレイプした男とな。それは、何故だ?」
「何故って…彼を愛してしまったからよ」
「ふ…違うな」
「違わないわ!!」
「いいや、違う。あんたは中山隆一郎に妻になり、幸せに暮らすことで復讐しているんだ」
「復讐!?私はそんなこと考えていないわ!!」
「確かに、やつのスキャンダルが表沙汰になれば、あんたも家族も路頭に迷うだろう。人間、一度いい暮らしの味を知ったら、その生活レベルはおとしたくないからな」
あゆみはぐうの音もでなくなる。
「あんたにとったら、今の暮らしが続かなければ、中山隆一郎の妻になった意味がない。だから、どうせならば、奴を受け入れて愛することで、憎しみを消すしかないと思った。違うか?」
「(そんなこと!私は…私は…)」
「俺は、拓真くんや麗子があんたに何をしようが関係はない。ただ麗子のオトコになり、事情を知ったからには、麗子の気持ちもわかるんでな。さて、どうする?俺はどちらでも構わない。正直に麗子に伝えるまでだ」
あゆみは依然として逡巡していた。
三宅は黙って煙草をふかしながら、返事を待った。