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鬼畜の復讐2

第25章 覚悟

隆一郎から報せがあった翌日の夕方…

隆一郎が戻ってきた。
「あなたっ!あなたぁっ!」
隆一郎に抱きついて号泣するあゆみ。
「ただいま…あゆみ」
「隆一郎さんっ!」
あゆみから激しい口づけを求めていく。
「大丈夫だったかい?あゆみ」
「ええ…拓真からは何もいってこなかったわ」
再び熱い口づけを交わす。
「んっ…はふぅ…」
あゆみは既に兆している。
「あゆみに大事な話しがあるんだ…」
恐らく拓真のことだろう。
「はい…」
「でも、その前に…君が欲しい…」
「私も…隆が欲しい…」
隆一郎は以前のような、上から目線の高圧的な話し方はしなくなり、優しい口調になった。
この姿が本当の隆一郎なのだとあゆみは思っている。
反面、冷酷非情な一面も持ち合わせている。
しかし、それは自分も同じ。
見つめあいながら、お互いに服を脱いでいく。
「あゆみ、風呂は?」
「沸いてま…きゃっ!」
あゆみの返事が終わる前に、抱き上げて、バスルームへ連れていく。
「久しぶりに一緒に入ろう」
「なんだか、恥ずかしいわ…」

浴室でねっとりと身体を愛撫しあう二人。
「あぁ…(やっぱりこの人でないと…この人が私を一番知っているのよ…)」
「あゆみ…君は最高だな…」
浴槽に二人で浸かり、隆一郎は後ろからあゆみを抱くようにして抱えた。
「あゆみ…」
「はい…」
「やっぱり話しておくよ…」

あゆみが身体を入れかえて、隆一郎と向かい合った。
「今度の件で父さんに相談してきた。謝罪はできても、今の俺じゃ誠意であるカネの用意ができない」
「……」
湯船の中で隆一郎の胸にしがみつくように抱きつくあゆみ。
「カネは借りられた…けど、今回きりだ」
「!?」
「借りたカネでも拓真が納得せず、さらに要求してくるようなら、後は自分で何とかしなくてはならない。それに、父さんには一切迷惑がかからないようにしなくてはならないんだ」
ある不安があゆみの胸によぎる。
「もし、借りたカネでも納得させられなかったときは…拓真が俺のしたことを公表などしようとしたら…俺と拓真は父さんに消されるだろう」
「そんな!?」

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