無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「父さんの立場なら、当然のことだよ…例え息子でも、自分の地位と名誉を守るためにはね。息子の俺のスキャンダルで父さんだけじゃない、中山家や父さんの周りの人間が路頭に迷うことになるからね…」
「あなた…」
「もし、そうなっても、君の実家は守ってくれるようにお願いはしておいた。それで…あゆみ…んっ！？」
あゆみは隆一郎の言わんとしている事がわかり、口づけを求めた。
「もう、決めてます…あなた…私はあなたについていくわ…」
「あゆみ…それはダメだ…俺は君を拓真から卑劣な手段で奪ったんだ…」
隆一郎の目から涙がこぼれ落ちる。
「本当なら、君は拓真と幸せな暮らしをしていたはず。勝手な言い分だけど…俺が幸せにしてやれないときは別の誰かに…」
「いいえ！私はあなたに幸せにしてもらいます…」
「あゆみ…」
「あなたとこうなるのは、運命だったのよ、きっと…もし、あなたが拓真に何もしなかったとしても、私はあなたと一緒になっていたと思うわ…運命だったのよ」
「あゆみ…君って女は…」
あゆみの目が妖しく光る。
「もし…あなたが謝罪して…誠意を見せてもなお、復讐をやめないっていうことなら…わたしが拓真を殺すわ…真由子って女も」
「あゆみ！？」
「そのくらいの覚悟はあります」
「うううう…あゆみ…あゆみぃ…うううう」
「この試練を乗り越えて幸せになるのよ！隆一郎さん」
隆一郎は自分の弱さとあゆみの強さを悟り、覚悟を決めた。