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鬼畜の復讐2

第26章 敗北

数十分後…

車を走らせる隆一郎。
「あなたの言ったとおりだったわ…」
あゆみは興奮していた。
隆一郎はこちらがある意味開き直ることで、拓真の復讐する理由をなくし、さらに5億円で終わりにしろと圧力をかけたのだ。
「俺が開き直ると思っていなかったんだろう…(勝ったぞ!)もし、アイツがやけになって俺の悪事をマスメディアに売ったり、ネットに流しても…覚悟はできてる…」
「私はどこまでもあなたについていきます」
隆一郎は車を停め、あゆみに唇を重ねる。

一方、拓真は…

「ウオオオッ!ちくしょう!ちくしょおおおおっ!!ウオオオッ!」
敗北を味わい、のたうちまわった。
「拓真!どうしたのよ!拓真!」
暴れる拓真を抱きしめる真由子。
「あいつら!あいつら…開き直りやがったんだ!はぁはぁ…しかも5億円も用意してきやがった!!ちくしょおおおおっ!!」
「ばらしてしまえばいいわ!5億円もてにはいったんだもの」
「意味がなくなったんだよっ!!いいか?真由子…あいつら覚悟決めたんだ…どうなっても構わないってな…そんな奴に復讐したって意味がない…自分の暮らしや大事な人やモノ、地位権力…それにしがみついていたいから、焼かれながらも俺に従っていくんだ…それを捨てても構わないといいやがった!苦しまないと意味がないんだ!5億円は警告だ。これ以上要求するなってな…国家権力で俺も真由子も消されちまうんだ…ははは…負けたんだ…あゆみ…アイツだ…あゆみが隆一郎を本当に愛したから…隆一郎が変わったんだ…」
一気にまくし立てて、号泣する拓真。
「拓真…」
「ゴメンな…みんな…真由子…」
「もういいじゃない、拓真…私と静かに暮らしていきましょう…癪に触るけど…私はあなたにずっとついていくから…そうよ…一緒になりましょう…一緒になって幸せな家庭を築きましょう?ね?」
「……幸せな家庭?幸せな…!!」
拓真の中で何かが弾けた。
「そうか…幸せな家庭か!それだ!」
「ええ、幸せな家庭を…」
拓真が真由子を抱きしめる。
「拓真?」
「くっくっくっ…終わりじゃない…終わりじゃないぞ…隆一郎、あゆみ…くっくっくっ」

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