鬼畜の復讐2
第32章 賢太郎と詩織
拓真は並んで拘束されている賢太郎と詩織の正面に椅子を置き、どかっと座ると、二人を交互に見遣り、話始めた。
「俺、二階堂拓真には、まさに今の賢太郎くんの歳の頃、若林あゆみという恋人がいてね…」
「えっ!?(若林…ママの結婚する前の苗字…)」
二人は目をしばたたせた。
「そう。君たちの母親さ」
「(本物の二階堂拓真!?)」
「プロ入りしたら、結婚する約束もしていた…あゆみの実家…つまり、君たちの祖父母の工場が経営不振でつぶれる寸前だった。プロになれば、助けてやれる…そう思っていた…しかし…気づいたら…声が出ず…手足も体も動かず…四年後だった」
拓真の目から、涙がこぼれる。
「一番ショックだったのはね…目覚めたら、プロ野球選手の夢も…そして、家族と愛する者を失なっていたことだ!!君たちの…」
拓真が憤怒の表情に変わると、学ラン姿の賢太郎の胸倉を掴む。
「お前の父、中山隆一郎に奪われたんだよっ!」
拓真は詩織に近づくと、俯いている詩織の顔を上げさせ
「ふん!あゆみのあの頃にそっくりだ…」
ペシッ!軽く平手打ちをする。
「きゃっ」
「俺、二階堂拓真には、まさに今の賢太郎くんの歳の頃、若林あゆみという恋人がいてね…」
「えっ!?(若林…ママの結婚する前の苗字…)」
二人は目をしばたたせた。
「そう。君たちの母親さ」
「(本物の二階堂拓真!?)」
「プロ入りしたら、結婚する約束もしていた…あゆみの実家…つまり、君たちの祖父母の工場が経営不振でつぶれる寸前だった。プロになれば、助けてやれる…そう思っていた…しかし…気づいたら…声が出ず…手足も体も動かず…四年後だった」
拓真の目から、涙がこぼれる。
「一番ショックだったのはね…目覚めたら、プロ野球選手の夢も…そして、家族と愛する者を失なっていたことだ!!君たちの…」
拓真が憤怒の表情に変わると、学ラン姿の賢太郎の胸倉を掴む。
「お前の父、中山隆一郎に奪われたんだよっ!」
拓真は詩織に近づくと、俯いている詩織の顔を上げさせ
「ふん!あゆみのあの頃にそっくりだ…」
ペシッ!軽く平手打ちをする。
「きゃっ」