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鬼畜の復讐2

第15章 動揺


「家には戻らないの?雄介」
「ああ。啖呵きってでできたし、深雪と二人で暮らしていく自信もついたから…」
「そう…すっかり男らしくなって…深雪さん、雄介の事、よろしくね」
「はい!」
「姉さんは、今、幸せなのか?」
「…ええ…幸せよ。夫はとてもよくしてくれるから…」
「…そうか…なあ、姉さん」
「ん?」
「もし、拓真さんが目覚めたら、どうするんだ?」
「……そんなこと…彼が目覚めるなんて…」
「拓真さん、もし目覚めても、独りぼっちなんだぜ?」
「えっ!?」
「おばさんは亡くなったし、麗子ちゃんは行方不明なんだ」
「なっ!!そんな!満喜枝おばさまが!?」
「自殺だって…」
「!?」
「麗子ちゃんはそれが原因で行方不明みたいでさ」
「………」
「全部、姉さんの旦那のせいだぜ?」
「そんな…」
「姉さんの幸せは、拓真さん、おばさん、麗子ちゃんの犠牲の上になってるって、忘れないでくれよ…じゃ、行こうか、深雪」
「……雄ちゃん…」
「姉さんが選んだ人生だから…じゃ、また」

「……(知らなかった…おばさまが亡くなっていたなんて…拓真…)」

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