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A fin-de-siecle angel

第1章 A

所で、私はあまり世間が求めている人間としてのステータス「勉強」が出来る方ではなかった。
学生時代、そして私は開き直り大バカのギャルの「フリ」をしていた。
思い返せば…なぜだろう、勉強、嫌いじゃなかった。

最近私は、一時間に一回、色んな意味で自分が世界最強の大バカではないかと考えている。

そんな事で私は、大学にも行かず大した大手企業にも入らずだったが、積み上げた悪知恵and雑学の数々と持ち前の愛想の良さでそれなりの所に就職していた。周りは皆ほとんど大卒だった。

旦那の事はどうだっていい。それより明日から家出るんだから。もちろん60年ルールは破らないけど。

酒に酔いながらも私の人生振り返ると凄く幸せだったはず。だって人としての余計な感情を、一切持って生まれなかったからだ。

どんなに過去を振り返っても泣きわめいたり悩んだりした記憶が「無い」。

例えば家族がギャーギャー喧嘩してても
「傍観」

例えば何か家に不幸な事があるとそれを食って掛かって研究したくなる
「関心」

私の人生

傍観関心傍観関心傍観関心傍観関心傍観関心傍観関心傍観関心傍観関心傍観傍観関心傍観関心傍観関心傍観関心傍観

たまに演技で生きてきた。

かと言って心から幸せな感情が沸きあがってきてるかというとそうでも無かった。

そんな中私は、ふざけ半分で入った会社でスローライフを満喫していた。

もちろんさっさと辞めるつもりだったが、いざクビになるとなんだかムナシイキモチ。

あらー。なんでかしらねェー。なんでかしら。アハハハハハハ


そして私は、後に重大なミスをした事に気付く。会社を辞めたらあの大嫌いな家に縛りつけられてしまうではないか。つまり結婚していた事を忘れていたのだ。

無駄な知識を詰め込んでいる暇はない。世界最強のバカよ。

こうして私は不幸になったのだ。いや、私、長瀬純は天性の不幸人間だった。

神様は私に宝物を授けてくれた。いや、たぶんビョーキだ。

人が不幸を感じる根本的な原因を私は生まれつき持っていなかったのだから。

そして調子を乗ってやりたい放題やったら不幸になった。

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