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狼さんの腕のなか

第2章 取り引き

「美琴姉も来たんだ」

「うん・・・」
彼に目を向けると

「しばらくは待ってやる・・・」

昌也から事情を聞いたみたいだ
彼は待ってくれるみたい

「なあ兄ちゃん?」

「ん?」

「凛を助けてくれ!!兄ちゃん金持ちなんだよな!?だってリムジン乗ってて執事もいるし!!」

昌也?

「その、重体で入院してるの僕の妹なんだよ
・・・兄ちゃんが、こないだ遊んでやってくれた凛なんだよ」
彼の服を掴んで泣きじゃくる昌也
こんな昌也初めて見た




あの火事の日だって本当は・・・誰よりも
先に自分が助けに行きたかったはずなのに
私は自分の気持ちばかりで・・・

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