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狼さんの腕のなか

第1章 雨のなか

「・・・切れてる」

「え・・・」
彼の目線をたどると
あたしの胸元からは僅かに血が
流れていて引き裂かれたシャツも
少しだけ赤く染まっていた

「ッ・・・ちょっ!」
傘を手放したその人は
いきなりあたしの胸元に
噛みつくように舌を這わせてきて

「何すんのよ!!」
あたしは彼を突き飛ばした

「ごちそうさま」
彼はそう言ってフッと微笑う


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