狼さんの腕のなか
第3章 彼との生活
「ぷはっ!・・・はぁっ・・・はぁっ」
酸欠状態になり一瞬気を失って
やっと解放されたあたし
「クスッ・・・息止めたままとか」
自分の鼻をとんっと指で触れて
バカにしたように微笑む由紀斗くん
鼻で息できるほど
私にそんな経験ないわよ・・・
息を整えながら
この苛立ちを彼に訴える
「・・・なんだよ」
「こんなことするために私に
助けてやるって申し出たの?」
「・・・違うって言ったら?」
窓の外に目を移して言う
月・・・見てる?
「じゃあ別の理由があるの?
あるなら教えて」
彼に近づいて横顔を見つめた