狼さんの腕のなか
第3章 彼との生活
「あ、ありがとうございます」
オレンジジュースを注いでくれた
風間さんにお礼を言って
あたしはふわふわのパンケーキを
頬張っていた
「・・・あの、風間さん?」
「はい」
「由紀斗くんって多重人格というか
情緒不安定なんですか?」
「ぷっ・・・」
む・・・
「申し訳ありません・・・同じことを
聞かれたのでつい」
「同じこと?」
「いえ、こちらの話でございます
・・・そうですね多重人格というべき
でしょうかね」
なんか意味深だけど
話してくれそうな感じじゃないなぁ
「ずっとなんですか?」
「ずっとといえばずっとですかね」
・・・なにそれ、どういうこと?
「風間、余計なこと話すな」
「はい・・・」
由紀斗くんは長いテーブルの
あたしの前の席に座った