狼さんの腕のなか
第4章 学園生活~転校~
毎朝と言っていいほど
目覚めると横で由紀斗くんが寝ている
最初はビンタかベッドから
突き落とすのが習慣だったけれど
由紀斗くんは結構根に持つタイプで
仕返しが恐ろしいのを実感し
最近はさっさと起こしてしまうという
静かな起こし方にしている
「スー・・・スー・・・」
「・・・」
それにしても今日は
ひどすぎない?
抱きつくというよりは緩くて
でも覆い被さるんじゃなく
しっかりとあたしを捕まえてるというか
とにかく引き剥がすことも
すり抜けることも不可能な状態