
トライアングル・ラブ
第30章 新しいスタート
「よっしゃ。すぐ乗れるじゃん。」
私の気持ちとは裏腹に、裕也はすぐ乗れることを喜んでいる。
普通なら、早く乗れることはとても嬉しい。
でも今は、今日は、告白すると決めたから、少しでも心の準備をする時間が欲しい。
「2名様どうぞー!」
女性スタッフが笑顔に私たちを案内する。
観覧車紹介の看板をチラッとみると、観覧車使用時間は約20分と書かれていた。
20分。
私に託された時間。
私が気持ちを伝えるのに使える時間。
心臓をドキドキ鳴らしながら、私は観覧車に乗り込んだ。
