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トライアングル・ラブ

第32章 溝



「…今日沙織に言われた。」


“ドクン”という音と共に心臓が加速し始めた。


沙織…何を言ったの…?


「…素直になれって…。」


その言葉に、息を呑んだ。
沙織、なんでそんなこと言ったの…。

私は、私は裕也が好きなんだよ…?
裕也が好きで、裕也の“彼女”になったんだよ…?


「…俺、今日お前と裕也のこと見てた。けど…本当にお前ら付き合い始めたの?」


私はもう言葉を失った。
それは私も思っていたことだから。
私も不安に思っていたことだから。

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