トライアングル・ラブ
第33章 乱れ出す歯車
「…梅ちん。俺、悩みがあるんだ。」
山ちゃんの静かな言葉に笑い声は段々と消えていった。
「なんだ。真面目な話だな。臭い的に恋の悩みか?」
臭い的って、どんな臭い…?
甘い苺の臭い?
それとも甘酸っぱいオレンジの臭い?
私は一人静かに鼻を啜り臭いを嗅いだ。
気づくとそんな私に、裕也が冷たい視線を送っていた。
私は裕也の方を向き、首を傾げた。
すると裕也は“アホ”と口パクをしてきた。
アホ…?!
なんでよ!
私は教室が静かだということもあり、裕也に向かって頬を思いっきり膨らませた。