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賄賂は君の身体で

第5章 思いで

『同じマンションに住んでた指輪をくれたお兄ちゃんですか?』



本人に直接そう聞くしかない。


微妙に小柴に惹かれる万里ではあったが、淡い初恋の美しい思い出を、エロくて意地悪な現実の男子と一緒にしたく無いとも思っていた。



そう、過去は美化される。



中年になって集まる同窓会で、かっこよかったはずの男子がハゲててショック…みたいな事になりたく無いのだ。


『優しくて可愛いままのお兄ちゃん』


それが万里の中の『お兄ちゃん』なのだ。

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