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賄賂は君の身体で

第1章 事件です!!

人差し指でクイクイッとついて来いサインをされ、生徒会室に向かって行く副会長・林道誠治の後ろをついて行く万里は、はっと思い出したように振り返り、会計長・市原周に頭を下げると、口パクして手を振ってくれる。


『交渉、健闘祈る』


そう読み取った市原の口の動きに『やっぱり優しいんだ』とにっこり微笑む。

歩幅の違う林道に距離を取られおいていかれるので、小走りをして追いつくと、横目でチラリと見られ、万里は鼻で笑われた。


感じ悪すぎる!!

背が高いから上から見下ろすし、
小馬鹿にするようなわらいをするし!!


林道のその態度に不快感MAXで睨むものの、林道の斜め後ろを歩く万里の視線に彼は気づいていない。

勿論、面と向かって睨んでも、睨み返されるとびびってしまう万里は、一見強気だけど、内心はビビりでもある。

『ツンビビ』なのだ。

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