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賄賂は君の身体で

第2章 交渉です!!

万里は頭を下げた。
情に訴えるしかないと考えたのだ。

キレて怒鳴ってどうにかなる相手でもないし、会計長の市原にも効かなかった『ウルウル甘え作戦』も、全く効果がなかったのでこれしかないのだ。



「だから言ってるでしょう?奥田万里、君が身を私に差し出すなら取り計らうよ。」



そう思っても、結局返って来た言葉は一緒。それならばと、深々と頭を下げたまま、思い当たる全ての約束事を取り付けようと考えた。



「天窓とボイラーの修理と点検も…?」


「えぇ。」



あっさりとした返事にパッと顔を上げると、会長は頬杖を付いて微笑んでいた。


鬼の目にも涙?!



「早急に?」


「明日にでも業者を呼びます。」


「それなら、今日の温室の室温は…。」


「校内の移動できる暖房器具を温室に運びましょうか?」

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