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賄賂は君の身体で

第3章 悪魔の契約です!!

皮肉たっぷりに言ったのに、見上げて見る小柴の表情はやわらかく…
少し抱きしめたまま過ごすと身体を離し、自分がしていたマフラーを万里の首へと巻き直した。



「もう役員は帰ってしまってるけど、暖房つければすぐに暖かくなるので行きますよ?」



そういいつつ。
その優しさに万里はただ無心で返事を返した。



「はい。」



万里の冷え切った手を、包む様にポケットに入れて…。
まるで彼女の様な扱いに万里はドキドキさせられる。


『身を差し出せ』なんて言ってたくせに、別人なくらい紳士。

こんな危険人物に惚れたくはないが…これを『必然』と言うのだろう。


隣に並び、ポケットの中ではしっかりと大きな手に包まれていた。真っ直ぐ前を見る小柴をチラチラ見つつ、首に巻かれたカシミヤの温かいマフラーに手を当て、歩きながらそんな事を考えていた。


薄暗い校内に入り、生徒会室へ。

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