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禁断のシェアハウス

第4章 衝撃の事実と禁断の行為

コンコン


それだけでビクッとする。
心拍数が一気に上がった

「はい。」

涙を吹き、落ち着かせて返事をする。

「入るよ。」

あれ?どっかで聞いた声。


ドアを開けた先には、






剛さんが立っていた。


「えっ、なんで?」

それと同時に我慢してた涙が溢れ出す。

「え、どうしたの?!
僕の秘書になるの嫌だった?」

「そうじゃなくて、剛さんの声聞いたらなんか安心しちゃって。」

「来る途中何かあった?」

「恥ずかしい話かもしれないけど………


初めて
痴漢にあったの。
すごく怖くて、声を出すことも出来なくて、
だけど、剛さんの声聞いたら何か安心して、もう大丈夫なんだって思えて。」


「そっか。大変だったな。」
そう言って、秘書室に入り中から鍵をかけた。
そして、何かのスイッチを入れた。

顔をあげるとそのスイッチの意味がわかった。

「ありがとう、剛さん。」

「いいえ。」

剛さんは私をそっと抱きしめてくれた。

温かくて、優しい。
その中で私は沢山泣いた。
そして思った。


私、剛さんのこと好きかも。

「ありがとう、もう大丈夫。」

「いいえ、彩乃ちゃん。
あと、会社では僕を社長って呼ばなきゃいけないし、敬語もね。」

「あ、すいません。」

「2人の時だけだよ、名前で呼ぶのは。」

そう言って、剛さんは秘書室を出た。

さっきのスイッチは、ドアの窓から丸見えになってた私の泣き顔を隠すための、スイッチ。
透明の窓から、すりガラスになってた。
本当に剛さんは優しい人だな。

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