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第1章 2015~牢獄~

「…和…?」

「あぁ、そうだ。」

「なんだか、あんたには合わねぇな。」

俺は『和』と名乗る男にそう言った。
怒られるか、と思ったが、彼は笑って言った。

「それは、そうだろう。
オレの本当の名前は和ではないからな。だが、和と呼んでくれ」

一瞬その笑顔が寂しそうに見えたのは、気のせいだろうか。

「じゃあ、ホントの名前は何なんだ?」

俺が尋ねると、彼はそっぽを向いてしまった。

しばらくして、やっと口を開く。

「そんなもん、忘れたよ。」

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