神さま、あと三日だけ時間をください。
第1章 ♭眠れぬ夜♭
さっさと別の画面に切り替えよう―、そう思った瞬間、画面のトップにデカデカと書かれている紅い文字が眼に飛び込んできた。
―エロチャット、画像付き投稿掲示板。
チャットという言葉の意味を、美海はつい最近になって知ったばかりだ。まあ、インターネットで繋がり合った者同士がネットを通じてやりとりする、話し合いの場のようなものらしい。
ふと興味を引かれ、画面をスクロールさせてみる。下へ移動していくと、実際にリアルタイムでチャットしている男女のやりとりが画面に表示されていた。中には正視するのには耐えられないような卑猥な画像が混じっている。
会話もそれにふさわしく、アラフォーになってもまだどこか世慣れていない美海には信じられないような過激なものばかりだ。
人間とは、おかしな生きものだ。それが見たくない―いや、この場合は見てはいけないと言った方が適切かもしれない―と思うような内容であればあるほど、何故か見たくなるという傾向がある。
美海もその例に洩れず、知らない中に画面を食い入るように読んでいた。
どれもが似たような内容が続いている。男が女を誘い、女がそれに応えて、恥ずかしげもなく、あられもない姿を晒している。中には男女が互いに一枚ずつ脱いでいく過程をいちいちご丁寧に画像にしてアップしているカップルまでいる。もちろん、画面の向こう側とこちら側で脱ぎ合っているのだ。
後はイメプ、つまりイメージプレイ。画面の卑猥な言葉や画像を相手に見せつけることによって互いに興奮し、自慰行為に耽るということだ。ひと昔前のテレホォンセックスのようなものか。
自分の妻の恥ずかしい姿を何枚も撮り、それらを平然とアップする夫。また、それを涎を垂らして眺める画面の向こう側の男たち。酷くなると、
―誰か妻と真剣にセックスして下さる方はいませんか?
と奥さんの裸をアップし、呼びかけている夫までいる。
更には家出娘かと思われる女子高生が
―誰か泊めてください。
と訴え、まるで獲物に群がるハイエナのように名乗りを上げる男たち。
自分の下着姿を晒し、相手の言うがままに脱ぎ足を大胆に開くOL。
全く眼を背けたくなるような惨状であった。
―エロチャット、画像付き投稿掲示板。
チャットという言葉の意味を、美海はつい最近になって知ったばかりだ。まあ、インターネットで繋がり合った者同士がネットを通じてやりとりする、話し合いの場のようなものらしい。
ふと興味を引かれ、画面をスクロールさせてみる。下へ移動していくと、実際にリアルタイムでチャットしている男女のやりとりが画面に表示されていた。中には正視するのには耐えられないような卑猥な画像が混じっている。
会話もそれにふさわしく、アラフォーになってもまだどこか世慣れていない美海には信じられないような過激なものばかりだ。
人間とは、おかしな生きものだ。それが見たくない―いや、この場合は見てはいけないと言った方が適切かもしれない―と思うような内容であればあるほど、何故か見たくなるという傾向がある。
美海もその例に洩れず、知らない中に画面を食い入るように読んでいた。
どれもが似たような内容が続いている。男が女を誘い、女がそれに応えて、恥ずかしげもなく、あられもない姿を晒している。中には男女が互いに一枚ずつ脱いでいく過程をいちいちご丁寧に画像にしてアップしているカップルまでいる。もちろん、画面の向こう側とこちら側で脱ぎ合っているのだ。
後はイメプ、つまりイメージプレイ。画面の卑猥な言葉や画像を相手に見せつけることによって互いに興奮し、自慰行為に耽るということだ。ひと昔前のテレホォンセックスのようなものか。
自分の妻の恥ずかしい姿を何枚も撮り、それらを平然とアップする夫。また、それを涎を垂らして眺める画面の向こう側の男たち。酷くなると、
―誰か妻と真剣にセックスして下さる方はいませんか?
と奥さんの裸をアップし、呼びかけている夫までいる。
更には家出娘かと思われる女子高生が
―誰か泊めてください。
と訴え、まるで獲物に群がるハイエナのように名乗りを上げる男たち。
自分の下着姿を晒し、相手の言うがままに脱ぎ足を大胆に開くOL。
全く眼を背けたくなるような惨状であった。