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神さま、あと三日だけ時間をください。

第1章 ♭眠れぬ夜♭

 何だか子猫の名前みたい。自分でもおかしくなった。ミュウだなんてハンドルネームを使ったら、このメッセージの送り主はさぞ若い女性からものだと勘違いするかも。
 でも、一度、メッセージを送るだけなら構いはしないだろう。
 件名が空欄だったので、〝こんばんは〟と適当に埋めてから、送信する。まさか返事が来るとは思わずに待っていると、すぐに返信が来た。

―ちょっとプライベートで色々とあったもんで、落ち込んでます。慰めてくれないかなあ。  シュン

―何があったのか訊いても良いですか?          ミュウ

―バイト先でね、トラブったんです。      シュン

―トラブルって、どんな?            ミュウ 

 気がついたときには、やりとりしたメッセージは軽く十通を越えていた。二度くらいなら、三度までなら―。そんな感じで〝シュン〟という相手とメール交換していたのだ。
 流石に、これはまずいなと思った。でも、考えてみれば、他の投稿者と違って、この人は特にセックスについて触れるわけでもないし、いやらしい要求もしてこない。
 それならば大丈夫、と自分に半ば言い訳のように言い聞かせた。その後も、しばらく美海は画面の向こうの見知らぬ男とメールで語り続けた。

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