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神さま、あと三日だけ時間をください。

第3章 ♭ミュウとシュン~MailsⅡ~♭

♭ミュウとシュン~MailsⅡ~♭

 七月○日
 ミュウ、今日は何してた? 俺は午前中は大学行って講義受けて、昼からはバイト。今日は嬉しい知らせがあるんだ。何だと思う?
                シュン
          ↓
 そういえば、一週間前に前期の試験があったって話してたわよね。もしかして、試験の成績が良かったとか?      ミュウ
          ↓
 その前に、今日はまだミュウからお帰りって言って貰ってない。ねえ、ミュウ、お帰りって言って。          シュン
          ↓
 お帰りなさい、シュンさん。
               ミュウ

 〝まだお帰りって言って貰ってない〟、その下には怒った顔の絵文字が続いている。眺めていた美海は思わず笑いが込み上げた。
 ほどなく、メールが来る。

 お帰りなさいの次はハートマークかキスマークくらい入れてよ。      シュン
         ↓
 はいはい、判りました。お帰りなさい。
                ミュウ

 今度は〝お帰りなさい〟の次にハートの絵文字を入れる。

 ところで、嬉しい知らせって、何なの?
気になるんだけど。       ミュウ  
 画面に文章を入力して、送信を押す。
 直に返事がくるはずだ。美海は期待を込めて鮮やかなメタリックレッドの携帯を見つめる。
 シュンの住むM町まで行き、半日デートをしてからというもの、二人の距離はまた縮まった。このやりとりからしても、もう完全に恋人同士のメールになってしまっている。
 と、その時、背後のドアが突如として開き、美海は飛び上がりそうなほどびっくりした。
「た、琢郎さん?」
「何だ、まるで幽霊でも見たような顔してるな。そんなに愕いたのか?」

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