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神さま、あと三日だけ時間をください。

第3章 ♭ミュウとシュン~MailsⅡ~♭

「琢郎さん!」
 少し声を大きくしても、琢郎は美海を抱きかかえたまま、廊下を通り過ぎ、寝室へと入った。ダブルベッドに降ろされた美海は、すぐに上半身を起こした。
「今夜はもうこのまま眠らせて欲しいの。お願い」
 だが、琢郎は美海を軽く突き飛ばした。その勢いで、美海の華奢な身体は再びベッドに倒れた。
「琢郎さ―」
 いきなり覆い被さられ、唇を塞がれる。すべてが一ヶ月前と同じだ。あの夜も抵抗する美海をこうして押さえつけ、荒々しく貫いたのだ。
「いやっ」
 美海は泣きながら抵抗した。薄いTシャツが乱暴に捲り上げられ、白い清楚なレースのブラジャーが現れる。琢郎はブラを荒々しく押し上げた。途端に零れ出た豊かな乳房を両手で下から救い上げるように持ち上げる。
 しばらく好きなようにこね回されていたかと思うと、尖った先端がすっぽりと口に含まれた。
「いや!」
 美海はありったけの力をかき集めて、琢郎の身体を押した。まさか美海が反撃に出るとは想像もしていなかったらしい。琢郎の大きな身体はあっさりと後方へと飛んだ。
「美海、どうしたんだ? 何で、俺をそこまで嫌がる?」
 美海は衝撃と恐怖に震えながら、嫌々をするように首を振った。
 琢郎の顔が一瞬、やるせなさそうに歪んだ。
「本当は子作りに協力してやるっていうのは、言い訳なんだ。一ヶ月前にお前を抱いた時、俺は物凄く良かった。これまでにお前を抱いたことがないわけじゃないのに、まるで初めてのように良くて、恥ずかしい話だけど、何度もイッたよ。あれから、お前を抱きたくてうずうずしていたんだが、お前の方はいつも俺を避けてばかりだったろう」
「私―」
 美海は言いかけた言葉を飲み込んだ。
 あなたは気持ち良かったのかもしれないけれど、私は少しも良くなかった。確かに身体は限りない快感を感じたかもしれないけれど、心はレイプされた後のように冷え、惨めさだけが残った。言うのは簡単だが、それを口にしてしまえば、琢郎とはもう本当に終わりになってしまうと思った。

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