神さま、あと三日だけ時間をください。
第3章 ♭ミュウとシュン~MailsⅡ~♭
美海が何か言おうとしたのと、下り線から小豆色の電車がすべり込んできたのはほぼ時を同じくしていた。
急がなければ、列車はすぐに発車してしまう。これに乗り遅れたら、また一時間待ちぼうけだ。
「突然、押しかけてきたのに、今日は本当にありがとう」
美海は早口で言い、電車に乗り込んだ。
「またメールするよ」
シュンは美海が返事しなかったことには触れず、笑顔で手を振った。
電車が動き出す。シュンはまだ、その場に立ったままだ。列車はあっというまに速度を上げて遠ざかり、プラットフォームに立つシュンの姿は見えなくなった。
それでも、美海はまだ窓際の席に座ったまま、顔を車窓に押しつけるようにして外を見ていた。
今度、逢えるのは何時?
それとも、もう彼とは二度と逢えない?
様々な想いが交錯していった。
大好きな男の住む町が遠くなってゆく。
三両編成の鈍行列車は平日の昼下がりとあってか、殆ど乗客の姿は見られない。美海は窓ガラスに額を押し当て、瞼から消えないシュンの面影だけを見つめていた。
急がなければ、列車はすぐに発車してしまう。これに乗り遅れたら、また一時間待ちぼうけだ。
「突然、押しかけてきたのに、今日は本当にありがとう」
美海は早口で言い、電車に乗り込んだ。
「またメールするよ」
シュンは美海が返事しなかったことには触れず、笑顔で手を振った。
電車が動き出す。シュンはまだ、その場に立ったままだ。列車はあっというまに速度を上げて遠ざかり、プラットフォームに立つシュンの姿は見えなくなった。
それでも、美海はまだ窓際の席に座ったまま、顔を車窓に押しつけるようにして外を見ていた。
今度、逢えるのは何時?
それとも、もう彼とは二度と逢えない?
様々な想いが交錯していった。
大好きな男の住む町が遠くなってゆく。
三両編成の鈍行列車は平日の昼下がりとあってか、殆ど乗客の姿は見られない。美海は窓ガラスに額を押し当て、瞼から消えないシュンの面影だけを見つめていた。