
神さま、あと三日だけ時間をください。
第4章 ♭切ない別れ♭
それからメリーゴーランドに乗って、次はミニレール。これは園内をカタコト走る小さなSL列車で、小さな子どもが多く乗っていた。
二人乗りの狭い車両に仲良く並ぶと、シュンと身体がぴったりと密着する。それには少し胸の鼓動が速くなったが、シュンの方は実に楽しげに眼を輝かせているので、美海のそんな戸惑いもすぐに消えた。
「シュンさん、楽しそうだったわね」
ミニレールから降りて並んで歩き出しながら言うと、シュンは憮然として言った。
「どうせ俺はお子さまだよ」
最後は観覧車に乗る。これもジェットコースターと同様、この遊園地の呼び物の一つである。日本でも五本の指に入る規模を誇り、真上からの眺めは最高だと評判であった。
「これも高いところまで行くけど、大丈夫なの?」
先刻のことがあるので念のために訊ねたら、シュンは少しむくれた顔で言った。
「ゆっくりなのは大丈夫。それに、観覧車は箱の中にいれば良いから、守られてるっていう安心感があるんだ」
そろそろ長い夏の陽も傾き始めている。二人が乗り込んだ観覧車が丁度、真上に来た時、既に背景の空は薄紫に染まっていた。
町の灯りが闇夜を照らすキャンドルのようにちらちらと瞬いている。
「キレイね」
美海は広い窓ガラスに顔を押し当て、外の景色を楽しんだ。
「なかなかだろ?」
シュンが余裕の笑顔で言う。もう、例の高所恐怖症の名残はすっかり消えたようである。
「ミュウ、ここに来て」
シュンが手招きするので、向かいに座っていた美海は何の疑いもなく立ち上がり、隣にいった。と、ふいに身体がふわりと持ち上がり、膝の上に乗せられた。
「シュンさん?」
しかし、抗議する暇もなく、シュンの唇が降りてきて唇を塞がれた。
「シュ―」
一旦離れた唇はまた角度を変えて降りてくる。シュンは何度も離れては美海にキスしてきた。口づけは次第に深くなってゆく。
シュンの舌が侵入してきたので、美海もまた戸惑いがちに彼の舌に自分の舌を絡めた。
二人乗りの狭い車両に仲良く並ぶと、シュンと身体がぴったりと密着する。それには少し胸の鼓動が速くなったが、シュンの方は実に楽しげに眼を輝かせているので、美海のそんな戸惑いもすぐに消えた。
「シュンさん、楽しそうだったわね」
ミニレールから降りて並んで歩き出しながら言うと、シュンは憮然として言った。
「どうせ俺はお子さまだよ」
最後は観覧車に乗る。これもジェットコースターと同様、この遊園地の呼び物の一つである。日本でも五本の指に入る規模を誇り、真上からの眺めは最高だと評判であった。
「これも高いところまで行くけど、大丈夫なの?」
先刻のことがあるので念のために訊ねたら、シュンは少しむくれた顔で言った。
「ゆっくりなのは大丈夫。それに、観覧車は箱の中にいれば良いから、守られてるっていう安心感があるんだ」
そろそろ長い夏の陽も傾き始めている。二人が乗り込んだ観覧車が丁度、真上に来た時、既に背景の空は薄紫に染まっていた。
町の灯りが闇夜を照らすキャンドルのようにちらちらと瞬いている。
「キレイね」
美海は広い窓ガラスに顔を押し当て、外の景色を楽しんだ。
「なかなかだろ?」
シュンが余裕の笑顔で言う。もう、例の高所恐怖症の名残はすっかり消えたようである。
「ミュウ、ここに来て」
シュンが手招きするので、向かいに座っていた美海は何の疑いもなく立ち上がり、隣にいった。と、ふいに身体がふわりと持ち上がり、膝の上に乗せられた。
「シュンさん?」
しかし、抗議する暇もなく、シュンの唇が降りてきて唇を塞がれた。
「シュ―」
一旦離れた唇はまた角度を変えて降りてくる。シュンは何度も離れては美海にキスしてきた。口づけは次第に深くなってゆく。
シュンの舌が侵入してきたので、美海もまた戸惑いがちに彼の舌に自分の舌を絡めた。
