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神さま、あと三日だけ時間をください。

第1章 ♭眠れぬ夜♭

「私がしたいから、付き合ってやるですって? よくもそんな思い上がった科白が言えるものね。あなたとやることが、そんなにありがたがるほど良いものだと、あなた、本気で思っているの? ただ突っ込んで出して、それで終わり。感じるも何もあったものじゃない。自分だけ終われば、はい、今夜はおしまい。そんなので女が満足できると思う?」
「お前―」
 琢郎の握りしめた拳が戦慄(わなな)いている。
「俺が下手くそだ、女をろくに感じさせられもしない男だと、お前はそう言うのか?」
「私だって、ここまで言うつもりはなかったわ。でも、あんまりでしょ。不妊治療していたときだって、あなたはいつもこうだった。お医者さまから教えて貰った排卵日だから、私が誘ったのは判っているのに、お前は好き者だ、やりたがりの淫乱女だとか、色々と酷いことを言ったじゃない? でもね、琢郎さん。今だから言うけど、あなたとのセックスは、そんなにふるいつきくなるほど良いものじゃなかったのよ」
「くそう、言わせておけば言いたい放題、言いやがって」
 琢郎がふいに美海に飛びかかった。
 悲鳴を上げるまもなく、美海は広い寝台に押し倒されていた。
「何をするの!」
 美海が叫ぶと、琢郎が真上から彼女を押さえつけたままの体勢で喚いた。
「そんなに感じられないというのなら、今夜は徹底的に感じさせてやる」
「―止めて。こんな気持ちのまま、気持ちよくなんてなれるはずもないし、あなただって、同じでしょう」
「お前は俺を男として能なしだと言ったんだぞ?」
「誰もそんなことを言ったわけでは―」
 皆まで言えなかった。いきなり噛みつくようなキスをされたからだ。荒々しく唇を塞がれ、美海はもがいた。
 高価なネグリジェが乱暴に引き裂かれた。
「これでも感じないというのか? え?」
 琢郎の指が露わになった美海の乳房を巧みに揉みしだく。まだ出産も授乳の経験もない美海の胸は形もさほど崩れてはいなかった。固く尖った先端も薄いピンク色だ。

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