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温もり

第14章 十日目

「んっ……そう、そこ……」

 ラディの甘い声が、ニニの声と重なり、思わず彼女を見てしまう。
 ニニ五も同じ衝動に駆られているのだろう、彼女の要求に従いそこを舐めていた。それも、夢中になって。
 零九の頭はその光景に、肉欲に支配されてしまう。

 彼女の乳房を鷲掴みし、重ねられた唇に何の躊躇いも無く口を開いて舌を絡める。クチュクチュと濡れた音は両方から聞こえ、ラディの嬌声が背筋をぞくぞくさせる。
 彼女の手が零九の肌に触れ、下腹部を悪戯に刺激する。ニニ五が起き上がり、仰け反るラディの首を食む。

 確実な欲情の熱にうなされ、溶かされていく。肌を伝う体液が、汗なのか涙なのか、別の物なのか、交互に母と交わる二人には判別が出来ない。
 愉悦に笑う母に、抗えない欲情に喘ぐ息子達。
 何度吐き出しても欲求は治まらず、甘さすら感じる疲労に頭が痺れる。むしろ、その疲労が体を徐々に動けなくさせている事に苛立ちすら感じた。

「もっと、もっと……」

 ラディの要求は、二人の要求と同じだった。

 もっと、もっと交わりたい。
 もっと、もっと快楽を。

 腰を振れば彼女の内側は狂おしい程に締め付けて絡みつき、声を上げて快感に飲み込まれる。
 羞恥心もモラルも、ニニに対する想いも、その快感の前には無力だった。
 知性すら奪う欲望に、二人は溺れる他なかった。

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