
温もり
第1章 嗚咽
「……うん」
ニニは手に力を込め、彼を全身で感じながら頷く。
彼が死ぬまで側にいてくれる。それは教会で誓う言葉の様に感じていた。
コンコン、とノックの音が聞こえ、二人はパッと離れる。そして何事も無かった様にニニはドアに駆け寄る。
「食器、持って来てくれない? 片付かないのよ」
二三九が中を窺う様に少しキョロキョロしながらニニ言う。
「ああ、今持って行くよ」
ニニは気づいた様に頷き、扉を開けたままベッドに置かれたトレイを取りに来る。
「あ、零九、もう起きて良いの?」
二三九の言葉に、零九は小さく頷いて見せる。食事を取りに行った時にニニが言ったのだろうと、容易に推測出来た。
「ごめん、ちょっと避けてくれるか?」
「ああ、ごめんね」
二三九の脇を通り、ニニはキッチンに食器を持って行く。その際、残っているカレーを見ていた。
「ねぇ、零九」
話かけられ、彼は顔を上げる。心配そうな表情の彼女に、零九は若干の嫌な物を感じる。
「ニニ、また食べる量減ってない? 貴方達は体が資本でしょ?言わなくても解ってると思うけどさ。ニニに無理にでも言ってもっと食べさせなきゃダメよ」
二三九の説教が始まり、零九は若干苦笑いする。そう言う事はまず本人に言うべきだと思う上、彼女が本当に小食で食べられないのも知っているので、零九は強く言えない。
ニニは手に力を込め、彼を全身で感じながら頷く。
彼が死ぬまで側にいてくれる。それは教会で誓う言葉の様に感じていた。
コンコン、とノックの音が聞こえ、二人はパッと離れる。そして何事も無かった様にニニはドアに駆け寄る。
「食器、持って来てくれない? 片付かないのよ」
二三九が中を窺う様に少しキョロキョロしながらニニ言う。
「ああ、今持って行くよ」
ニニは気づいた様に頷き、扉を開けたままベッドに置かれたトレイを取りに来る。
「あ、零九、もう起きて良いの?」
二三九の言葉に、零九は小さく頷いて見せる。食事を取りに行った時にニニが言ったのだろうと、容易に推測出来た。
「ごめん、ちょっと避けてくれるか?」
「ああ、ごめんね」
二三九の脇を通り、ニニはキッチンに食器を持って行く。その際、残っているカレーを見ていた。
「ねぇ、零九」
話かけられ、彼は顔を上げる。心配そうな表情の彼女に、零九は若干の嫌な物を感じる。
「ニニ、また食べる量減ってない? 貴方達は体が資本でしょ?言わなくても解ってると思うけどさ。ニニに無理にでも言ってもっと食べさせなきゃダメよ」
二三九の説教が始まり、零九は若干苦笑いする。そう言う事はまず本人に言うべきだと思う上、彼女が本当に小食で食べられないのも知っているので、零九は強く言えない。
