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温もり

第2章 妹

 研究室に戻ると入浴の時間になっていて、年長者が年少達の服を脱がせていた。

「あ、一五零戻って来たの?」

 ちょうど風呂から上がって来たらしい二六一が髪を拭きながら二人に声をかける。

「ああ、今は誰が入ってるんだ?」

 ニニは零九の前とは違う口調で二六一に尋ねる。
 彼女はラディに男のふりをさせられている。何の意味があるのかーーいや、意味などないだろうーーそれは知らないが、ナンバー一五零と『実験』の相手の前意外では女性と臭わせる行動をすれば殴った。

「多分、二六五はまだ入ってないんじゃないかな? さっきボス倒すまで動かないって言ってたから」

 テレビゲームに夢中な二六五らしい話に、二二は呆れた表情をする。食事の時間もゲームで遅れて来るため、いつもの事と思うしかない。

「入ってないなら先に入っても良いよな?」

「問題ないしょ?」

 髪を早く乾かしたい二六一は返事をしてさっさと部屋に戻る。
 ニニと零九はそのままキッチンの隣にある浴室に向かう。


 浴室は一般家庭よりも広く、五人位なら一緒に入っても問題ない。
 その浴室に、零九とニニは二人きりで入っている。
 お互いの体は殺処分の際に負った傷が縦横無尽に走っている。それでも圧倒的に零九の方が古傷は多い。

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