
温もり
第3章 殺処分
「……っ」
腹部をばっさり切られた彼は、零九を見上げて見開いた目で疑問をぶつける。
『どうして? なんで? 助けてくれないの?』
そんな視線に、罪悪感を誤魔化すように零九は乗の契りを発動させる。反応の遅れたニニも乗の契りを発動させ、逃げ出す彼らを追う。
「ううっ! ああう、あうあううあ!」
零九に腹部を切られた彼は滂沱と涙を流して命乞いをする。
「俺達が生きる為なんだ……」
零九は呟く。
言葉など通じないであろう事は解っている。今までのLLもそうだった。ラディに気に入られなかったLLに与えられた道は、水槽の中で眠って過ごすか、実験材料として生き地獄に落とされる。その理由は『ラークに似なかったから』
「ああ……ああ!」
四本の腕で刀を握った零九の腕を掴み、彼は泣きながら懇願する。だが、刀を振り上げた零九を見て、彼は手を離して逃げようと体を反転させる。
零九はその彼の腕を切り落とす。
「ぎゃあ! ああああああ! ああああああ! うあああうう!」
悲鳴を上げ彼は、縋るように、懇願するように、零九に命乞いをする。瞼を失った瞳から流れる涙の塩分で頬は焼けて赤くなり、膨張した腹部に引っ張られているらしい口も完全に閉じる事が出来ず、涎が流れている。
腹部をばっさり切られた彼は、零九を見上げて見開いた目で疑問をぶつける。
『どうして? なんで? 助けてくれないの?』
そんな視線に、罪悪感を誤魔化すように零九は乗の契りを発動させる。反応の遅れたニニも乗の契りを発動させ、逃げ出す彼らを追う。
「ううっ! ああう、あうあううあ!」
零九に腹部を切られた彼は滂沱と涙を流して命乞いをする。
「俺達が生きる為なんだ……」
零九は呟く。
言葉など通じないであろう事は解っている。今までのLLもそうだった。ラディに気に入られなかったLLに与えられた道は、水槽の中で眠って過ごすか、実験材料として生き地獄に落とされる。その理由は『ラークに似なかったから』
「ああ……ああ!」
四本の腕で刀を握った零九の腕を掴み、彼は泣きながら懇願する。だが、刀を振り上げた零九を見て、彼は手を離して逃げようと体を反転させる。
零九はその彼の腕を切り落とす。
「ぎゃあ! ああああああ! ああああああ! うあああうう!」
悲鳴を上げ彼は、縋るように、懇願するように、零九に命乞いをする。瞼を失った瞳から流れる涙の塩分で頬は焼けて赤くなり、膨張した腹部に引っ張られているらしい口も完全に閉じる事が出来ず、涎が流れている。
